子ども若者応援フリースペース(品川区)の問題点について書きました

https://narrative.hatenablog.jp/entry/2024/01/14/211225

アスペルガー、ASDを鎖国に例えると

日本テレビのドラマ、厨房のありすで門脇麦が演じている自閉スペクトラム症
(このドラマ、私の精神衛生上良くなさそうなので見ていないのですが)


少し前はアスペルガー症候群と言われていたのですが、最近はASD、自閉スペクトラム症と言われています。自宅にあるアスペルガーの本は少し古いからか自閉症スペクトラムと書かれています。この名前(発達障害の下位カテゴリー)、自閉とか自閉症という表現に違和感があります。文字通り自分の閉じた世界にこもっているような人も、もちろんいるのでしょうが、実際には、それなりに人間関係を維持している人が多いイメージです。アスペルガーの男性と結婚した人をカサンドラと言ったりしますが、本当に自閉症なら、そういう人と結婚する女性は、それほど多くないはずです。ここら辺のことは考え出すと難しくて、ちゃんと理解しようとすると、それなりの本を読まないと無理でしょう。(私自身、ちゃんと理解できているのか自身がもてません。)


 ただ最近思ったのは、自閉と言う言葉は江戸時代の鎖国のようなものに例えられるかもしれないと言うことです。年配の方でも、江戸時代は鎖国していたけれど、オランダと中国(明・清)とは交流があったと記憶しているでしょう(長崎の出島)。いつからか、そこに朝鮮(今の韓国)を加えて朝鮮通信使なども紹介されるようになりました。図書館にあった「新もういちど読む山川日本史」によると、さらにアイヌ琉球を加えて、江戸時代(初期)の外交を解説していました。ここで、問題にしたいのは鎖国と言う言葉のイメージと実態の乖離です。鎖国の文字通りの意味は、国を閉じることです。鎖にも鎖す(とざす)という訓読みがあります。しかし、実際の江戸幕府は完全に国を閉ざしていたわけではなくて、外交関係、国際交流を制限することで国内の安定を図っていたと理解すべきでしょう。


 アスペルガー、ASD、自閉スペクトラム症の場合でも、ほぼ自閉症という感じの人は比較的少数。多くの人は人間関係を制限することで精神的な安定を得ているのではないかと思います。それどころか、非常に社交的で知り合いも多いけれども、思考パターンなどは、いかにもアスペルガーと言う人もいます。少し前にブログでとりあげたイーロンマスクなどは、社交的なアスペルガーの典型例でしょうか。こうした人は、非常に社交的でありながら、人と接するパターンは非常に個性的で、一般の人とは異なっています。(独善的なのに才能と権力をもっているから人が集まってくるとも言えそうですが、独特の魅力もある人たちだと思います)


 自閉スペクトラム症の自閉は、ある種の傾向を表してはいるものの、その実情は、まさに人それぞれ。自閉と言う言葉から受ける印象と必ずしも一致しない。比喩的に表現するのなら江戸時代の鎖国のようなもの。そんな風に思います。

 

参考文献
アスペルガーの人はなぜ生きづらいのか?

大人の発達障害を考える

(こころライブラリー)

単行本(ソフトカバー) – 2011/12/17
米田 衆介 (著)  講談社

 

新 もういちど読む 山川日本史

単行本(ソフトカバー) – 2017/8/1
五味 文彦 (著), 鳥海 靖 (著)

 

参考サイト

www.ntv.co.jp