子ども若者応援フリースペース(品川区)の問題点について書きました

https://narrative.hatenablog.jp/entry/2024/01/14/211225

アスペルガーは記憶を生きる

人間は生きていると、何か新しい経験をしている時間、それを振り返る時間、寝ていたり、何も考えていないに分けられると思います。


 例えば海外旅行に行ったり、映画を見たり、博物館に行ったり、散歩やサイクリングを楽しんだり。スーパーやコンビニに買い物に行ったりなど。(最近は学校にも通わず、働いてもいないので、学校や仕事のエピソードは、あまり思い浮かびませんが)
一方、そうした出来事を思い出して振り返る時間もあります。比較的最近のこととして思い出すのはゴジラの映画を見に行ったことととか(椅子が動く4DXで鑑賞)、海老名にあるロマンスカーミュージアムに行ったこと、ファミレスのバーミンヤンで猫型配膳ロボットが子どもたちに人気だったことなど。こうした比較的大きな出来事だけでなくて、コンビニやスーパー、図書館、ブックオフなどに行ったことを、お風呂に入った時や夜中蒲団の中で振り返ることもあります。今日は節分なので、コンビニやスーパーには恵方巻が沢山あったとか、節分ロールと言う節分用のロールケーキがおいてあったとか。スーパーではキャットフード「CIAOちゅ~る」の試供品を配っていたとか。比喩的に言うと色々な出来事がゴミ屋敷みたいに、ごちゃごちゃに記憶されているので、もう一度振り返ることで記憶を整理しているのだと思います。


 アスペルガーの人が、あまり相手のことを考えずに一人でしゃべり続ける時は、相手とのコミュニケーションと言う当初の目的を忘れて、自分の記憶を整理するためにしゃべり続けているのかもしれません。


 今まで経験した出来事を振り返るのは、誰でもあることだと思います。しかし記憶を振り返るのに費やす時間が比較的長く、その時退屈することが少ないのが、アスペルガー的な発達障害の特徴かもしれません。ロマンスカーミュージアムに行った日には、自宅に帰って来てから風呂に入って、一日を振り返っていました。博物館に展示されている10両のロマンスカーと、もう1両の古い電車。当時やっていたウルトラセブンとタイアップした企画展。(ウルトラセブンの作中にロマンスカーが登場するため)屋上から眺める小田急線や周囲の風景など。じっくりと振り返ることで記憶が整理されてスッキリします。


アスペルガーはトラウマのフラッシュバックに悩まされる人が多くいます。好きなアニメを馬鹿にされたと言った普通の人にとっては些細な出来事で、大震災を経験したようなフラッシュバックを経験したりします。あまりにひどい場合は精神科を受診する必要があるのでしょう。(頭では分かっていても、私自身は相手が悪いと考えがちですが)
しかし普段から記憶の整理が出来るようになると、トラウマ的な出来事が起こらない限り、比較的穏やかに過ごせるようになったと思います。


 ちなみにアスペルガーは記憶力が良いのかは議論のある所です。私が思うに、単純に記憶力が良いと言うよりも、記憶が整理されるまで同じ項目を繰り返すのが苦ではないというのもあると思います。英語の教科書とか社会の教科書などでは(数学は少し違いますが主に文系の教科書では)、断片的な記憶のまま先に進むよりも、すっきりと記憶できるまで繰り返し学習したくなったりします。


 ともあれ、人を大切にするとか人に大切にされるというのも、お互いの記憶を大切にするという側面が強いと思います。人間は他者の記憶に直接触れることはできないので、記憶を束ねた物語(一人、一人のナラティブ)が大切になります。ここら辺の話は分からない人にとっては本当に分からないようですが。(アスペルガーが空気を読めないのと同じように)


 私たちは自分の記憶も他者の記憶も大切にできる時、穏やかな人生を送れるようになると思います。