子ども若者応援フリースペース(品川区)の問題点について書きました

https://narrative.hatenablog.jp/entry/2024/01/14/211225

映画「窓ぎわのトットちゃん」

昨年公開された映画「窓ぎわのトットちゃん」。
黒柳徹子の小学生時代を描いた同名の昭和のベストセラーをアニメ化したものです。


この映画の良い点は、当時の時代背景、特に当時の大井町線とか、裕福な家庭に普及し始めた家電などがよく分かること。当時のトットちゃん(黒柳徹子)は、東京の北千束駅から大井町線に乗って自由が丘駅で降りて私立小学校のトモエ学園に通っていました。また当時、黒柳徹子の家は、かなり裕福だったこと。しかし戦争により物質的な豊かさも自由な社会も失われていったこと。

こうした点は非常に良く伝わってきます。ユダヤ人指揮者のエピソードは少し分かりづらい気もしましたが、パンフレットなどを読んで理解できました。

 

戦争の時代を女子小学生の目線で振り返るという点では良くできた映画だと思います。しかし「窓ぎわのトットちゃん」の原作小説と比べると、どこか物足りないような気もします。それが何か正確に言うのは困難ですが、あえて言うと、居場所としてのトモエ学園の描写が希薄なような気がします。この映画では小児まひの泰明ちゃんとトットちゃんのエピソードに重点が置かれ、トットちゃんと両親の話、同級生、特に同性の女の子との話、校長先生以外の先生との話には、少ししか触れられていません。最初の小学校に適応できなかったトットちゃんにとって、なぜトモエ学園は居心地のいい居場所になれたのか、この点は映画だけでは、よく分からないと思います。

 

ポリコレ映画(ポリティカルコレクト 政治的正しさ重視の映画)とまでは言いませんが、個人の成長記と言うよりは、日本の歴史を描いた映画という印象を受けました。
見方によっては発達障害っぽいと思われるような黒柳徹子のエピソードも丁寧に描いていれば、映画の印象も変わっていたように思います。